損傷状況:
ガソリンスタンド内で切り返しをした際、給油スタンドのコンクリート製の台座に左サイドステップをぶつけてしまいました。ステップカバーはキズが付いてしまい、上部は割れてしまっています。サイドステップカバーの内部にも衝撃の影響が及んでいる可能性が考えられます。
また今回は、自宅の駐車場にバックで入れようとした際、ガレージの柱にぶつけてしまった右フロントフェンダーの擦り傷も同時に修理をさせて頂くことになりました。
修理内容:
新品のサイドステップカバーに交換する為、まずは損傷したステップカバーを取り外していきます。
右フロントフェンダーも塗装の塗り込みを確実に行う為、フロントバンパー、ヘッドライト、サイドステップカバー、フェンダーライナー、サイドマーカーランプを取り外していきます。
左サイドステップカバーの内部は、やはり取り付け部が変形し、塗膜も一部剥がれてしまっています。
7万円近くもする新品のサイドステップカバーです。今回、NSXのサイドステップカバーは塗装済み部品の供給が無かった為、無塗装の新品部品に塗装をしていく工程となります。
塗料の密着性やシール性を向上させる為、新品のサイドステップカバーにサフェーサーを塗布し、塗装ブーズ内で加熱乾燥を行います。
損傷個所のキズを研磨し、さらに損傷個所以外の塗装面も塗料の密着性を高める為、細部にわたり細かい番手のペーパーを用いて、足付け作業と呼ばれる研磨を入念に行います。
色合わせの大変難しい3コートイエローパールですので、十分な時間を掛け、現車による入念な色合わせを行っていきます。今回のような色は特にゴミや埃を完全に遮断する塗装ブース内での作業が前提条件となり、上下圧送式の本格的な塗装ブースは必要不可欠です。
NSXの塗装は基本的に4コート4ベーク(4層塗装・4層焼き付け)という、鮮明で滑らかな光沢をもたらす高品位な塗装方法が用いられています。またカーボン製のフードやリアスポイラーにおいては、素材の性質上、いっそう念入りな下地処理が必要なため、5コート5ベーク(5層塗装・5層焼き付け)というさらに贅沢な塗装方法が取られています。平滑な中にもカーボン繊維の目がかすかに視認できるように配慮するなど、Rならではのこだわりが光ります。
修理結果:
今回、NSX タイプRの修理代は部品代と工賃を含めて税込24万円となりました。オーナー様は車両保険に加入しておりましたが、免責金額の設定が高額であった為すべて自費扱いでの修理となりました。お車引き渡し時には仕上がり具合を入念に確認され、「まったく問題なく、綺麗に直っています。」と大変御満足頂くことができました。
さらに今回オーナー様は、当社が加盟している鈑金匠ネットのエネオスプリカ還元サービスを希望されましたので、12,000円分のエネオスプリカをプレゼントさせて頂きました。この度は数あるボディショップの中から当社に修理の御用命を頂きまして、誠にありがとうございました。