損傷状況:
フロント廻りから、フロントバンパー、フロントフェンダー、フロントドア、スライドドア、アルミホイーが損傷しており、フロントドアは開ける際、フロントフェンダーに干渉してしまい、ほとんど開かない状態です。また事故後から走行中ハンドルが取られ、車体が左側に流れるようになったという事で、足廻りにも影響を及ぼしている事が考えられます。
リヤ廻りも、リヤフェンダー、リヤバンパーが損傷しており、スライドドアに貼られているオプションのアルファードラベルも傷が付いてしまっています。
フロントドアとスライドドアのインナーパネルも衝撃の影響で塗膜が割れ、鉄板が変形しています。
フロントドアとスライドドアを開けたセンターピラー部にまで損傷の影響が及んでおり、鉄板が変形してしまっています。
修理内容:
作業にあたり、フロントバンパー、グリル、ヘッドライトを取り外し、さらに今回交換となるフロントフェンダー、フロントドア、スライドドアを車両から取り外していきます。またフィックスガラス(三角ガラス)も取り外していきます。
リヤ廻りも、リヤバンパー、テールランプ、リヤサイドガラスを取り外していきます。
新品のドアを仮合せ・仮装着する為、損傷したドアの内部補機類を取り外し、新品のドアに仮移植していきます。
新品のフロントフェンダー、フロントドア、スライドドアを仮装着し、立付けの調整、開閉具合、各クリアランスの確認を行っていきます。
仮合せした新品のドアに合わせながら、損傷したセンターピラーとリヤフェンダーの板金を行い、鉄板を元の状態に叩き出し、復元させていきます。
鉄板表面の極わずかな凹凸をなくす為、パテを塗布し加熱乾燥後、平滑に研いでさらに面を成形していきます。
パテ表面にシール性、上塗り塗料の密着性に優れた高品質なサフェーサーを塗布し、その後充分な加熱乾燥を行います。
新品ドアのパネル折り返し合わせ目に、専用シーラーガンを用いて、新車製造ライン同様の形状で、シーラー剤を充填していきます。トヨタ車等の場合、プロが交換歴の有無を見極める第一の判断要因の為、如何に新車製造ライン同様に再現するかがとても重要になってきます。
表面の塗装をする前にまずは新品ドアの内側やフェンダーの裏面を先に塗装していきます。本来フェンダーの裏面は色味が異なっていたり、しっかりと塗り込みが行われていない為、装着されていたパネルと同様の色味や染まり具合等を忠実に再現していきます。
センターピラー部を含めたドア開口部も、ドアを装着すると塗装できなくなってしまう為、先に塗装していきます。
現車による正確な色合わせを行なったのち、着衣からほこりが出ないよう防塵服を着用し、空気中に浮遊するゴミやほこりを完全に遮断するクリーンルームの塗装ブース内にて塗装を行っていきます。
ボディ側面の塗装肌が均一に綺麗に揃うよう、塗装の段階で本来の塗り肌に合わせる、高度な技術が要求されます。塗装後はブース内を70℃に温度設定し、40分間の加熱乾燥をしっかり行うことで塗膜の強度や耐久性が増し、新車と同等の仕上がりになります。
ロワアーム、ナックル、ハブ、ホイールベアリング、タイロッドエンドなど衝撃の影響が及んだ部品をすべて新品部品に交換し、最後にアライメントテスターにて正規の数値に調整していきます。
タイヤには幸いにも損傷が見受けられなかった為、アルミホイールのみを新品部品に交換していきます。
修理結果:
今回、トヨタ アルファードのオーナー様は、幸いにも車両保険に加入していた為、負担金をお支払いすること無く、修理期間中の代車費用も含めて、すべて保険扱いで修理する事ができました。
さらに今回お客様は当社が加盟している鈑金匠ネットのエネオスプリカ還元サービスを希望されましたので、エネオスプリカをプレゼントさせて頂きました。納車時には修理箇所を入念に確認して頂き、仕上がりに大変御満足頂く事ができました。この度は数ある板金塗装工場の中から当社に修理の御用命を頂きまして誠にありがとうございました。