オーナー様は以前にも反対側を今回と同じようにぶつけてしまい、ディーラー様で修理をした際、修理代があまりにも高額で、修理期間も長く、さらには仕上がりにも納得できなかったという事で、今回インターネットでいろいろなボディショップを検索していたところ、当社のホームページを御覧になり、御来店頂く運びとなりました。
損傷状況:
フロントフェンダー後方から、フロントドア、リアドア、ステップにかけて損傷しています。なかでもフロントドアとステップの損傷が激しく、フロントドアは交換し、ステップも本来交換レベルではありますが、交換をすることで修復暦車扱いになってしまい、さらには車の事を第一に考えた最善な修理方法というオーナー様の御要望から、板金で対応させて頂くことになりました。
修理内容:
フロントバンパー、ヘッドライトを取り外したのち、フロントドアは新品部品に交換していく為、車両から取り外していきます。さらにサイドステップを板金していく為、フロントフェンダーを取り外し、リアドアも損傷した部分を板金していく為、ドアミラーやドアノブ、モール類等の装飾品をすべて取り外していきます。
すべての条件下で色の違和感が出ないよう、リアフェンダーにぼかし塗装を行っていく為、リアバンパーやテールランプも車両から取り外していきます。
製造過程での不具合や部品運搬中の損傷が無いかを確認してから、実際にフロントドアを現車に仮付けし、立付けの調整、開閉具合、密閉テスト、各クリアランスの確認を行っていきます。
仮合せした新品のドアを元に、損傷したリアドアとサイドステップの板金を丁寧に行い、限界まで鉄板を元の状態に叩き出し、復元させていきます。
面出し板金作業を終えた鉄板表面のわずかな凹凸をなくす為、パテを薄く塗布し加熱乾燥後、平滑に研いでさらに面を成形していきます。
パテの研ぎ作業後、シール性・防錆性・上塗り塗料の密着性に優れた高品質なサフェーサーを塗布したのち、トラブルのもととなる乾燥不良を未然に防ぐ為、カーボン乾燥機にて充分な加熱乾燥を行っていきます。
仮合せを終え、取り外した新品フロントドアの表面に、上塗り塗料の密着性やシール性を向上させる為、塗装ブース内にてサフェーサーと呼ばれるプライマーを塗装していきます。
ボディ表面の塗装をする前にまずは新品ドアの内側を先に塗装していきます。
今回のケースではリアドアの裏側も損傷していた為、板金修正後,ボディ表面の塗装前に裏側の塗装を一部し直していきます。
同様にドア開口部廻りも、フロントドア、リアドア、フロントフェンダーを装着すると塗装できなくなってしまう為、先に塗装をしていきます。
裏面の塗装を終えた新品のドアを実際にボディに装着し、塗布したサフェーサーを慎重に研いでいきます。さらに損傷個所以外の塗装面も塗料の密着性を高める為、細部にわたり足付け作業と呼ばれる研磨を行っていきます。
現車による正確な色合せを行ったのち、塗装ブース内に車両を入れ、マスキング作業、脱脂作業終了後、現車同様の塗装肌を忠実に再現しながら塗装を行っていきます。塗装作業終了後はセッティングタイムをとったのち、ブース内を70℃に温度設定し、40分間塗装を乾燥させていきます。
修理結果:
今回、シトロエン C4 ピカソのお客様はあいにく車両保険に加入しておらず、事故の過失割合もこちらが悪い為、全額自費扱いでの修理となってしまいましたが、納車時修理箇所を入念に確認して頂き、仕上がりに大変御満足頂くことができました。
また、今回は当社が加盟している鈑金匠ネットのエネオスプリカ還元サービスを希望されましたので、エネオスプリカをプレゼントさせて頂きました。この度は数ある板金塗装工場の中から当社に修理の御用命を頂きまして誠にありがとうございました。