損傷状況:
リアフェンダーはタイヤハウスのアーチライン部がへこんで変形してしまっています。さらにリアバンパーもアーチライン上に傷が付き、塗装が剥がれてしまっています。
修理内容:
作業にあたり、まずは損傷したリヤバンパーを車両から取り外し、さらにリヤフェンダーの板金塗装作業の妨げとなるテールランプやフェンダーダクトカバー、ルーフサイドモールを車両から取り外していきます。さらに今回は塗装下地処理の作業開始前にクォーターガラスも取り外しを行っていきます。
アーチラインやリヤバンパーとの通りを正確に引き出しながら、限界まで叩き出しと引き作業による板金作業を丁寧に行っていきます。鉄板を完全に復元し、鉄板引き出し時のスタッド痕と呼ばれる溶接焦げ痕をまったく残さない技法です。
板金作業を終えた鉄板表面にパテを薄く塗布し加熱乾燥後、平滑に研いでさらに面を整えていきます。
リヤバンパーは柔軟性のある素材なのでパテを入れずに済むよう、またラインも正確に再現しながら、傷を修正していきます。
リヤフェンダーとルーフサイド塗装の際、最大のネックとなるクォーターガラスとオープニングモールも、密着不良を防ぐ万全な下地処理と塗装時の塗り込みがしっかりと行なえるよう、取り外しを行っていきます。
塗料の密着性、防錆性、シール性に優れた2液混合型のサフェーサーを塗布し、充分な加熱乾燥後、アールやアーチラインの形状を確認しながら、最終研ぎ作業を行います。
リヤバンパーも密着性を高める為、専用プライマーを塗布後、サフェーサーを塗装し充分な加熱乾燥を行います。
肉持ち感があり、塗装表面が鏡面肌に近いポルシェ特有の塗装肌と光沢を忠実に再現させる為、エアー圧や塗料の吐出量、スプレーガンの運行速度、ボディとスプレーガンの距離を調整しながら、ゴミやほこりを完全に遮断するクリーンルームの塗装ブース内にて塗装を行っていきます。
バンパーももちろん、塗装ブース内で塗装していきます。塗装作業が完了した後はブース内を70度に温度設定し加熱乾燥をしっかり行うことで、塗膜の強度が増し、新車のような光沢が永年に渡り持続されます。
修理結果:
今回、ポルシェ ケイマンの修理費用はすべて相手方の対物保険扱いで対応する事ができました。さらに今回オーナー様は、当社が加盟している鈑金匠ネットのエネオスプリカ還元サービスを希望されましたので、エネオスプリカをプレゼントさせて頂きました。お車引渡し時には修理箇所を入念に確認して頂き、仕上がりにも大変御満足頂き、喜んで頂く事ができました。この度は数ある板金塗装工場の中から当社に修理の御用命を頂きまして誠にありがとうございました。