損傷状況:
衝撃の勢いで、ボンネット、フロントグリル、フロントバンパー、ヘッドライト、フロントフェンダーが損傷しており、内部にも影響を及ぼしています。さらにボンネットは中央で折れてしまっており、、ボンネットとフェンダーの隙間も広がってしまっています。
ボンネット先端も完全に折れてしまっており、裏面にも影響が及んでいます。
今回は追加作業として社外製のトランクスポイラーとフロントスポイラーの塗装、取り付けも自費扱いにて同時依頼を受け賜わりました。
修理内容:
装着していくアンサー製フロントスポイラーとエイムゲイン製トランクスポイラーです。このようにほとんどのエアロパーツはFRP製の白もしくは黒ゲルコート仕上げのまま、無塗装の状態でメーカーから送られてきますので、綺麗に仕上げるには下地処理にかなりの手を加える必要があります。
修理にあたり損傷したフロントバンパー、フロントグリル、ヘッドライト、ボンネット、フロントフェンダーを取り外していきます。
さらにフェンダー交換にあたり、フロントドアにぼかし塗装を行っていく為、フロントドアの付属部品となるドアミラーやアウターハンドル、窓枠のモール類やドアロアモールをすべて取り外していきます。
損傷した外装部品を取り外すと、やはり内板骨格部のラジエーターアッパーサポートやランプサポートパネル、一部の配線類が損傷しています。
修復した痕跡がわからないよう、損傷した内板パネルを慎重に修正していきます。
部品運搬中の損傷や製造過程での不具合が無いかを確認してから、実際に新品部品を現車に仮合せし、立付けの調整、開閉具合、各クリアランスの確認を行っていきます。
LS600hの一際目の引く、量産車世界初のLED(発光ダイオード)式ヘッドライトは、片側でなんと169,000円(ユニット)もするとても高額な部品です。
トランクスポイラーを仮合せし、左右のバランスや取付面の接地具合等を確認し、フィッティング調整していきます。
FRP製品特有の表面の細かな凹凸を平滑に研磨し、成形したのち、塗装ブース内にてプライマーサフェーサーを塗装し、低温で加熱乾燥させます。乾燥後、水研ぎにてプライマーサフェーサーの研ぎ作業を行ない、さらに表面を整えていきます。
表面の塗装をする前に、まずは新品ボンネットの裏面を先に塗装していきます。
フェンダーの裏面も同様に先に塗装していきます。本来フェンダーの裏面は色味が異なっていたり、しっかりと塗り込みが行われていない為、装着されていたパネルと同様の色味や染まり具合等を忠実に再現していきます。
フロントフェンダーを実際にボディに取り付け、塗布したカラーサフェーサーの最終研ぎ作業を行なっていきます。さらにぼかし塗装パネルのフロントドア旧塗膜面も密着性向上の為、足付け作業と呼ばれる研磨を行なっていきます。その後ブース内に車を入れ、マスキング作業を行なっていきます。
肉持ち感があり、塗装表面が鏡面肌に近いレクサス特有の塗装肌と光沢を忠実に再現させる為、エアー圧や塗料の吐出量、スプレーガンの運行速度、ボディとスプレーガンの距離を調整しながら、ゴミやほこりを完全に遮断するクリーンルームの塗装ブース内にて塗装を行っていきます。塗装後は70度40分の強制加熱乾燥を行うことで塗膜の強度が増し、最高の仕上りをお約束致します。
エアロパーツの塗装ももちろん塗装ブース内にて行っていきます。塗装後はFRP製ですので、ボディ部の塗装時より少し低めの温度で加熱乾燥を行っていきます。
キズを付けないよう最善の注意を払いながら、組み付けを行なっていきます。
今回のレクサス LS 600hのお車はガラス系ボディコーティング施工済み車であった為、すべての組み付け作業完了後、ガラスコーティングを再施工していきます。
修理結果:
今回、レクサス LS 600hの修理はフロントスポイラーとトランクスポイラーの部品代と塗装代の自己負担分以外は修理期間中の代車費用も含めてすべて相手方の対物保険扱いで対応する事ができました。
お車お引渡し時には、修理箇所を入念に確認して頂き、「完璧な仕上がりで、全く問題ありません。」と絶賛して頂き、大変喜んで頂く事ができました。この度は数ある板金塗装工場の中から当社に修理の御用命を頂きまして誠にありがとうございました。